感情分析に使える安価な心電計

初めに

心拍活動は、人間の自律神経と関係していることが知られています。そして、自律神経には、人間の感情やストレス状況などが反映されることも知られます。そのため、心電計で観測した心拍活動から、感情推定やストレス状況推定が行えるとされています。このような解析は心拍変動解析(HRV)と言われます。情報系でも、そのような知見は、ヒューマンコンピュータインタラクションなどの分野では盛んに活用されています。

参考:
http://www.take-clinic.com/psm/hrv/hrv_autonomic2.htm
http://hclab.sakura.ne.jp/stress_novice_hartrate.html

そして、そのような解析を行うためには、サンプリングレートが1000Hz以上の心電計を用いることが推奨されます。しかし、日本国内では、高いサンプリングレートかつ、身につける人に負担を掛けないよう小型で、PCにデータを取り込め、医療的な認証がなされている、10万円以内の安価な心電計がなかなか無いようです。僕が探した範囲では見つけられませんでした。


解決策

上記の様な要望であれば、フィンランドのMega electronicsから出されている、eMotion Farosが良い選択肢なのでは無いかと思います。

仕様としては、サンプリングレート1000Hz、USBおよびBluetoothを通したデータ転送が可能とのことです。フォーマットは、EDFとASCIIフォーマットに対応しています。サイズも48 x 29 x 12 mmということで、かなり小さいです。そして、価格も、一番機能の少ないFaros 90°であれば、576€で売られています。今(2017年2月5日現在)、1ユーロ121円程度なので、大体7万円程度ですね。輸入に伴う費用を含めても10万円以内に収まりそうですね。

オプションで、電極や解析ソフトウェアも売られています。

精度・利用者への負荷に関しては、medical CE及びFDA認証を取得していると、ホームページに記載があります。medical CE及びFDA認証は、欧州とアメリカに於ける、日本での厚労省の医療機器認可の様なものと考えていいかと思います。

ホームページに紹介されている、主な用途としては、

  • 心臓学
  • 労働衛生学
  • ストレス管理
  • スポーツ科学
  • 研究
  • 生活習慣指導
  • 医療、病院での用途
  • 理学療法
  • 精神療法
と書いてあります。このような用途での利用をお考えの方は検討いただければと思います。
日本で購入を考えている方は、この代理店が扱っているようです。

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